【書評】木暮太一著「自分の給料をいまより上げる方法」
昔、読んで本棚にしまったまま忘れていた本です。
給料の上がらない時代といわれている現代。
自分の給料はなぜその金額なのか。
なぜ一生懸命働いているのに給料が上がらないのか。
どうやったら給料が上がるのか。
社会人になったら気に気なる方も多いはずです。
そんな自分も以前の職場はオーナー社長が経営する中小企業。
部長に「今は若いから給料が低いだけ」「頑張って働いていれば必ず社長は給料をあげてくれる」という根拠のない言葉に辞める踏ん切りがつかず。
頭のなかではそれが根拠のないことだとわかっていながらもここを辞めた時に次の職場でアピールできる実績が欲しい。これは下積みだと耐えた記憶があります。
以前の職場を退職して、今の職場に転職したところ給料が一気に150万以上上がりました、、、
前の職場が給料安すぎたんですね。
この本では自分の給料を今より上げるための具体的な方法というよりも、マルクスの『資本論』や「価値」と「使用価値」という考え方にもとづいてなぜ給料が今の金額になっているのか解説をしていきます。
給料と言わず、モノの価値というのはそれが作り出されるにあたって、費やされた手間や時間が換算されています。
総じて時間をかけて作ったもののほうが価値が高いです。
価格の相場を決めるのは「価値」、そこから価値を上下させるのが「使用価値」です。
使用価値とは、いわゆるその商品が使用者が欲しがるものかどうかということです。
これは給料にも言えることです。
結論から言えば、給料は「一日仕事から疲れて帰ってきても、翌日に体調を整えて昨日と同じように仕事ができる価格」に設定をされています。
なかなか給料が上がらないと言われている昨今。
巷では「大企業は儲かっており、内部留保は溜めているのに社員の給料に反映させない」と言われることが多いです。
実は日本企業での労働分配率は70%を超えており、他の先進国の企業のなかでは一番高い値になるようです。
労働分配率とはこの場合、企業は稼いだお金の70%を従業員に払い続けているということです。
最後に職場にAIや自動化が進み。
今まで専門的な技能が必要だった作業が簡単に行えるようになっています。
簡単に行えるようになるということはそれを行っていた自分の価値が下がるということです。
この本では「ブラック企業の見抜き方」と「自分の給料を上げるための具体的な行動」が解説されます。
このブラック企業の見抜き方や働きやすい会社の見極め方は世間で言われる典型例があげられています。
ここでブラック企業のことが解説されるのは、ブラック企業にハマってしまうと自分の価値が評価されずに潰されてしまうからだと思います。
自分の給料を上げるために必要なことは自分の労働力の使用価値をあげることです。
たまに自分も使ってしまう言葉ですが、サイバーエージェントでは「仕事の報酬は仕事」という言葉があるそうです。
20代~30代のうちは働いて自分の仕事を拡げられるチャンスを作ること。
本業に関わる勉強を自分ですることで今よりも能力をあげること。
10年後の自分を見据えて自分を作っていくことが自分の価値を高めることにつながります。