未来のために今を生きる

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【貧困の実態】増田明利著「貧困のハローワーク」という本を読んで

休日に風邪で頭がボーっとしたまま読書です。

増田明利著「貧困のハローワーク」。

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この本を読むと暗い気持ちになるんじゃないかと思っておりまして。

世間的に「貧困」「二極化」などの言葉がクローズアップされている。

「安定」と言われた正社員であっても、一度レールから外れたら這い上がれない。

マスコミも世間もどちからといえばネガティヴなフレーズを好むし。

某公共放送で「貧困の実態」を特集していても、放送している側のプロデューサーは年収1000万円以上。

世の中的に富んでいる側と見做される人間が、貧しい人間を特集してメシの種にする。

その構造に意図せずして生理的嫌悪感を覚える。

この本では以下の17種類の職業から現代社会をクローズアップしている。

飯場労働者

 ・シングルマザー風俗嬢

・悪徳訪問販売の営業マン

・テレビ番組制作会社AD

・トラック運転手

・製缶工場の派遣社員

・居酒屋チェーン店

・工事現場の作業員

・フリーター

ソープランドのボーイ

ブラック企業のSE

フランチャイズから揚げ店のオーナー

オフィスビル清掃員

・年末年始の短期アルバイト

・日々紹介の労働者

生活保護受給者の生活

・職業ホームレス

 どれも日々の生活をしていれば街中で見かける人達ばかりです。

大卒でも高卒でも、人生のなかのふとしたきっかけで抜け出せない螺旋階段に落ちていきます。

日々、必死で生きていても、「誰かから搾取される環境」から抜け出せません。

その生々しさが本書からは感じ取られます。

なかでも印象的だったのが、プロのホームレスの生き方。

彼らには家がない。

ちょっと前は普通の人達だった。

家が無いにも関わらず、かなりしたたかに生きている。

工夫次第で家が無くても十分に暮らして行けると思わせる。

こういった話が嘘であって欲しいと願います。

でも、自分が仕事で接するトラック運転手や建設現場の作業員はこういった過去を持ってそうな人達が多い印象を受ける。

思わず自分が仕事中に感じているリアルと本の出来事を重ねてしまいます。

この本を読んでいると以下の言葉が頻繁に出てきます。

「強制的に辞めさせられた」

「人を人間だと思っていない」

「今の社会、働くだけで精いっぱいだ」

「無理に残業をさせられている」「だまされた」 

 自分の人生の結果を他人のせいにはできないのです。

自分の運命のハンドルを他人に預けたまま車に乗っていても、事故しようがどうなろうが他人は責められない。

結局はすべて自分次第なのだと感じた今日この頃でした。